外国人留学生が取るべき就活攻略法

English version of the article –  “The majority of foreign students are job-hunting wrong – and how to lessen shukatsu headache” here.

日本で就活しているからと言って「日本人学生型就活」に100%従う必要はない。

「就活」という言葉に対して、あなたはどのように反応しますか?今現在就活の真っ最中なのであれば、ご苦労様です。ESの手書き、リクルートスーツに対する出費、必死に準備したのにもかかわらず合説に望んでも留学生だと知られたら直面する愛想笑いなどなど。

就職活動というのは、日本以外でも世界中では決して簡単なプロセスではありません。ただ、日本の「シュウカツ」ならではの独特なハードルはもちろんあります。

実は、就活をより簡単にする裏技は少なくはありません。しかし、ほとんどの留学生はこれらの方法をよく分からずに、頭打ちな就活方法で四苦八苦しています。日本語が上手に話せるとしてもです。

この記事では、留学生がよく陥る日本形就活の罠について説明します。その上で、留学生が自らの強さをフルにいかし、「留学生らしい」就活方法も皆さんに提案したいです。

英語で勉強する留学生 – 日本の採用システムに対する疎遠

英語で勉強している留学生の間に、日本の採用システムに対する知識不足がいちばんの問題です。
英語で勉強している留学生の間では、日本の採用システムに対する知識不足がいちばんの問題です。

まず、英語で勉強している留学生(大学院生も含む)がよく直面している問題を話していきます。日本語で読まれている皆さんも、こういう問題に直面する人もいますので目を通したほいうがよいかと思います。

英語で勉強している留学生は、日本の採用システムに対する知識不足で就活において非常に不利になります。なぜかというと、その知識不足が故に:

  • 就活のスケジュールを分からないことで就活のタイミングを逃してしまう(例えば卒業直前の1学期前に就活を始めるとか、卒業してから就活をするなど)
  • 日本の就活でよく利用されるサイトに対する認識が不足している(日本であまり使われていないLinkedIn/Glassdoor頼りなど)
  • 日本で求められている日本語レベルの過小評価(こちらの記事参照
  • 日本式の履歴書を有しない
  • 申し込む企業と採用したい企業のミスマッチ
    • 留学生だからといって外資系採用に有利だということも日本語で勉強している学生ではよくある誤解
  • 申し込む企業数が少ない。

これによって、就活のスタートダッシュが遅いことや、準備不足、内定をもらいやすい企業についての誤解などがあり、苦戦することが多いです。結局就活に絶望し、日本での就活を諦める人も決して少なくはありません。

日本語で勉強している留学生 – 日本型就活への過信

Stumbling while doing shukatsu

だからと言って、読んでいる皆さんがお分かりにように、日本語で勉強している学生(あるいは日本語が堪能な留学生)の就活は順風満帆でも決してありません。

もちろん、履歴書の準備、就活のタイミングなどに対して認識のズレはそれほど深刻ではないですが、逆に日本人と全く一緒んお就活方法をすることで逆の罠にはまってしまいます。一体どういうことなのか、データから見てみましょう。

マイナビのデータによると、調査対象の会社のなかに、「外国人留学生採用」をしている企業は15%に止まりその半分は「採用活動」をしたが、結局は採用できなかったという結果となっています。もちろん、こちらのワーディングでは、「留学生向けの特別採用」を意味しているか、「留学生でも採用検討をする」という意味なのかの言葉の曖昧さはありますが、どのみち数値としては低いでしょう。

DISCO社が発表しているデータも同じ状況を示しています。そもそもDISCOのクライアントの場合、国外でのキャリアフェア出展したい企業は比較的に多いはずなので、採用における「国際性」は一般的な企業より高いはず。それでも2020年入社の新卒に関して、外国人留学生がいる比率は3分の1に止まりました。その中の平均採用数も2.48人で、「多い」とは程遠いのが現状です。

単刀直入にいうと、(いくら日本語が上手だとしても)日本語ネイティブでなければ採用しないという企業が、日本には未だ多くあります。一方で、このような企業を簡単に除外できるためのフィルターは存在しません。一般的な(日本人学生向けの)合同説明会に臨んだとしても愛想笑いと就職につながる成果なしに終わることが多い理由はこのような背景にあります

それに加えて、日本人と同じ戦場に競おうとしても不利な状況に立たされることが多いです。いわゆるSPIはその非常に顕著な一例で、ロジックの試験を受ける際、日本人の場合は単にロジックが試されますが、留学生の場合だとロジックと日本語の速読という二重試験になってしまいます。

だから諦めろというわけではない

就活での臥薪嘗胆

上記の問題を示したことは、就活は無意味で日本での就職をやめとけという意味では全くないです。留学生が無理やり就活に順応すればいいのではなく、留学生にしかるべき就活戦略を実行すればいいということを訴えたいだけです。

「外国人はちょっと…」という企業もあれば、「外国人を積極的に採用したい」企業もあります。また、SPI免除や合格点を下げるなど、留学生の特別採用ルールを持っている企業もいます。戦略的にその企業に狙いを定めて就活すると成功率も高まります。

じゃあ、今の留学生はなぜそれをやっていないか?それを考えるために、留学生がよくおこす間違いから考え始めないといけません。案外、英語で勉強している留学生も、日本語で勉強している留学生も、下記の共通問題に直面しています。

  1. 就活を実行する場面を誤ること
  2. 誤った企業分析
  3. 不利な競争に参加すること

つまり、外国人留学生としてスムーズに就職するためには、採用してくれそうな企業を洗い出し、これらの企業が集まる場面(オンラインもオフラインも)に接点を作り、外国人であることを弱さから強さに転換すれば成功はできるはず。

以下に、僕なりの方法論を説明します。

留学生に開かれている「スマートな就活方法」

裏技を使って、就活における不利を有利に変ぜよ
裏技を使って、就活における不利を有利に変えよう

就活のタイミング・カレンダーを徹底的に理解すること

他を議論する前に、就活のスケジュールについての知識を徹底することは非常に重要です。日本人と一緒に勉強している留学生だったら、クラスメイトがカラフルな私服から白黒なリクルートスーツに脱皮するタイミングに注意するといいかもしれません。

就活スケジュールの内容については後日の記事にて説明しますが、現時点で不明なのであれば、日本人のお友達や学校のキャリア支援室に相談した方がいいかもしれません。今では、通年採用を行っている企業は増えつつありますが、新卒に関しては通年採用を採っていない企業はまだ多数です。

あなたは仮に逸材で優秀したとしても、採用のプロセスが終わったら企業の採用部門は基本的に学生に動じません。そのため就活のタイミングを理解し、しかるべきときにアクションを取るの重要性は非常に高いです。

業界研究

あなたのプロフィールにマッチしそうな企業はどこなのか?
あなたのプロフィールにマッチしそうな企業はどこなのか?

一般的にいうと、就活の第一歩は応募したい企業や自分の履歴書の準備から始めると言われています。留学生も例外ではないです。

ただ、留学生の場合「国籍(出身国)」ということも考慮しないといけない。あなたの本国にオフィスを構えている日系企業と本拠地(それとも地域HQ)がある企業は、あなたのプロフィールを重宝するかもしれません。

また、海外そして特にあなたの本国へ展開を検討・行っている企業を重点的に探すこともいいかもしれません。これらの会社は多くの場合、外国人の採用を前向きに考えている企業が多いです。

ジョブフェア ・合同説明会・説明会

合同説明会や企業単体の説明会は、一般的に卒業する一年前の3月にピークを迎えます。ただし、2020年に関してはコロナの影響で説明会などの開催が夏以降に伸びているケースは多いです。

正直にいうと、留学生の場合、リクルート社が開催するリクナビLiveのような大型合同説明会への参加は基本的にお勧めしません。これらの合同説明会は日本人学生向けである以上、出展企業の中に日本語の非母語者の採用に前向きではない企業が多いからです。ただし、こういうような合同説明会にだけ出展する企業もありますので、すでに狙いを定めている企業がいる場合、参加は有益になり得ます。

このようなイベントより、留学生向けのジョブフェア ・合同説明会に参加した方が効率が基本的にいいです。業界の中でよく知られている合同説明会を下記にいくつか挙げます。

日本人向けの合同説明会より参加企業の絶対数はもちろんより少ないです。ただ、留学生向けのイベントに参加している以上、参加している企業は留学生を採用することに対するハードルが低いことも明確です。

ほとんどの留学生が気づいていないと思いますが、これらのイベントの参加意義もあります。これらのイベントでは「説明会」という名義で開催されていますが、このイベントをファストトラックの採用として使っている企業も多いです。つまり、参加して、採用人事にいい印象を与えると、あわよくば書類審査や第一面接が免除になるケースもあります。

総合的にいうと、一般的な合同説明会より時間の節約もできて、お勧めの就活方法です。

履歴書の書き方・面接対策

面接の成功率を高めるには、日本にあった面接対策を
面接の成功率を高めるには、日本にあった面接対策を

「〇〇国の方ですね。今後どのぐらい日本にいらっしゃる予定ですか?」

面接でよくある質問ですけど、実はこの質問に対する模範回答*は存在します。誤答して採用されるチャンスが水の泡になるケースも数なくありません。実際使うかどうかは別にして、まだこちらの「正解」がわからない人は、正直にいうとより一層な面接対策が必要なのではないかと思います。

*追記:全ての業界に当てはまるわけではない。

応募・面接で採用者が一般的に強く意識するポイントはあります。言い換えると個々の応募者が、「いい働き手」のシグナルを示しているかを凝視しているわけです。これらのシグナルの一部は日本の商業文化に根付いている独自な要素です。知らぬ間に地雷を踏んで採用されるチャンスを失わないよう、ちゃんとした準備をした方がいいです。

さて、留学生はどのように準備すればいいでしょうか?

第一の選択肢は、各学校のキャリアサポート室への相談です。ただ、多くの大学のキャリア相談室は留学生に対して支援を施すまでのノウハウや手段がないことも事実です。皆さんの日本語にそれほど自信がない場合は尚更です。

留学生のリクルーター

もう一つの選択肢は留学生リクルーターです。留学生リクルーターを勧めることはもはや僕が執筆する記事では定番になっていますが、簡単にいうと就活に役立つ個別のフィードバックやサポートを施す主体は非常に限られていて、リクルーターはその数少ない選択肢の一つです。(留学生リクルーターの価値についてはこちらの記事(英文)を参照)。

また、面接対策などの準備などとは別に、各リクルーターは自らのクライエントを持ち、あなたのプロフィールが合っていそうな会社がある場合その求人情報を紹介します。つまり、企業を探す手間を省ける利点もあります。さらに、リクルーターによる推薦は非常に効力を持ちます。その推薦で、いきなり最終面接まで候補者が行くという事例もあります。

上の記事で言及されたSociariseに加え、MEXT Scholars Association が他に協力しているリクルーターのパートナーを下記にてリストアップします。どれも業界において斬新なソリュションを提供しているか、留学生紹介の分野において数年間の経験を重ねている企業です。

ちなみに、日本人学生の就活において、リクルーターの利用や存在はいまだにそれほど顕著ではありません。つまり、リクルーターの上手い活用をすると、日本人以上にスムーズな就活になることも可能です。

出ない悔いより、出る杭

日本で就活をしているからと言って、日本人と100%同じ就活をする必要は全くないです。自分が埋もれる戦場に立つより、得策に自分に有利な戦場を探し出すことによって、あなたのキャリアの第一歩はより順調に見つけられます。

記事を終える前に一つの注意点:留学生向けのキャリアフェアや留学生リクルーターを利用していない企業は世の中にはまだ多いです。この企業に応募したいのであれば、いわゆる「一般ルート」しかないです。

だからと言ってやめた方がいいわけではない。内定をもらうことは不可能でももちろんない。魅力的だと感じている企業であれば、むしろ挑戦した方がいいと思います!ただ強調したいのは、日本人学生でよく見かける、散乱弾的な「ガムシャラ就活」はやめた方がいいと強く思います。

これで、あなたの就活の一助になれば非常に幸いです!ファイティング!

Leave a comment